犬派、猫派
今週のお題「ねこ」
子供の時、猫に噛まれた。
忘れもしない小学校3年の夏休み。学校のプールの日だった。その日、わたしは初めて15メートル、泳ぐことができた。母に知らせようと息せき切って家に帰ると、家に鍵がかかっていた。それで3軒隣の祖父の家で母の帰りを待っていた。
ふと見ると、猫の「くろ」が縁の下でうずくまっていた。手を伸ばして抱き上げようとすると、いきなり右手の親指に噛みついた。わたしの泣き声に祖父が飛んできて、猫の口を開けようとしたが、なかなか開かない。こじ開けると猫はどこかへ逃げ、帰ってきた母がすぐわたしを近くの先生の所へつれていってくれた。
「猫の口の中には、ばい菌が一杯いるんだよ。治るまで1ヶ月はかかるよ」とおっしゃった。その通りだった。治ったころにはプールは終わっていた。
「くろ」は母に言わせると「癲癇持ちの猫」なので、傍に寄らないようにしなさいとのこと。もっと早く注意してほしかったな。
痛い思いはするは、せっかくの15メートルが記録に残らないは、で、散々の夏となった。
それから猫は苦手だった。断然、犬派だった。
ところが、NHKのBSで岩合さんのネコ歩きが始まってから、猫派に変わった。
その時には自分ちの犬が死んじゃってたせいか、よそんちの犬を可愛いとは思えなくなってた。
それに武骨な犬と比べると、猫の何としなやかに動くことよ。
猫の仲間の猛獣たちも優美さと俊敏さを兼ね備えている。
見てる分にはなんてったって「猫」がいい。
でも、テレビの猫たちは匂いがしない。
犬の日向臭い匂い、大好きなんだ。
クンクンするわたしはやっぱり「犬派」か。