ムクドリ
この2,3日、扇風機だけですむくらい、気温、というより湿度が低い。同じ30度でも体感が全然ちがう。で電気代が勿体ないし窓を開けて暮らしている。
久しぶりに思い知らされた。騒音である。
うちのマンションは地下鉄の駅の改札口まで徒歩2分の駅近で、高速の出入り口が目の前の非常に便利な立地である。ところがすぐそばの交差点で東西南北の幹線道路が交わるし、南北はその出入り口の近い高速道路との二階建てである。一日中、車がぶんぶん走っている。
わたしは耳と鼻のよさだけは誇れるのだが、この耳のよさが災いして騒音に耐えられないのだ。集中力が甚だしく散漫になる。テレビのボリュームを上げて見ていても、もっとうるさく思うだけで、内容は入って来ない。
夜はテレビを見ることが多い。昨夜も涼しかったがうるさいので窓を閉め冷房を入れて見た。
だが、騒音はこれだけではないのだ。
ムクドリ。
夕方になると幾つかの群れが例の交差点周辺で飛び、ビルの屋上などで待機する。
交差点の南西の角は花壇だが、他の3つの角には木が植わっている。そのうちの北東の角の木と南東の角の木が彼らのお宿となる。何故か北西の角の木には留まらない。
ある時間になるといくつかのビルの屋上にいた連中が交差点の上空を輪を描いて飛び始める。しばらくすると、突如、北東の木へ矢印をなして群れが降りてくる。すごい鳴き声がし、羽が散る。何度か試みても入りきれなかった鳥たちは南東の木へ行き、また争奪戦を繰り広げる。ここでダメだった鳥は近くの電線やビルのフェンスに留まる。
これが一段落するまでの騒々しさは車に負けない。
何という生命力、何という不思議。
何故あの木なのか。何故あのタイミングなのか。リーダーはいるのか。いつも同じ鳥たちなのか。昼間はどこで何をしているのか。分からないことだらけ。
恐るべし。ムクドリ。