わざ転

わたしの貴重な読者のお1人で、北海道に仮住まいなさっていた方のブログのコメント欄を読んだ。小樽在住の方と積丹の雲丹の話をしてらした。

 

5年前の9月末、相方と一大決心をして、彼の車で北海道へ旅行した。

フェリーで小樽へ行き、2週間ほど秋の北海道を楽しんだ。

彼は本当は飛行機と列車の旅の方が気楽だったのだろうが、荷物の多さを考えると断然、車だった。だから、わたしは車で走る距離をできるだけ少なくして、函館や札幌は路面電車やバス、地下鉄を利用して観光するコースを考え、ホテルも取った。こういう作業、大好きなんだ。今度、生まれ変わったら旅行のプラニングの仕事がしたいなあ。

 

北海道に着いて1日目は余市にいる友達を訪ね、歓待を受けた。2日目に積丹半島をぐるりと回って積丹岬神威岬を見た。夏の終わりでも荒々しく勇壮な眺めだった。冬場には近づくことができるのかしら。

神威岬の展望台のレストランでお昼はウニ丼、予定してたんだけどなかったので、先に何かあるだろうと車を走らせた。

右手に日本海を眺めつつ、信号機のない道を結構な距離走って、ようやく小さな道の駅を見つけた。

そこには食堂はなかったが、もう少し先に食堂と寿司屋があるという情報をゲットし、また車を走らせた。

小さな寿司屋を見つけたのは、そこからまだ20分くらい走った、久しぶりのの信号機の辺りだった。

北海道の人の少し先と、大阪人の少し先とは、でっかい差があると学んだ。

勝栄鮨という名のお寿司屋さんの魚も貝も、すごーく新鮮でおいしかった。

わたしたちは偶然行ったのだが、その為だけに行く価値がある店だ。

 

それからニセコに泊まり、函館に2泊、洞爺湖、登別、支笏湖、定山渓を経て札幌で2泊、最後はまた小樽からフェリーで帰った。

 

結局、ウニ丼は食べられず終いだった。

なんで神威岬の展望台のレストランはウニ丼を置いてなかったんだろう。

 

ま、いいか。

お陰で勝栄鮨にめぐり会えたんだから。

禍を転じて福と為す、わざ転だあ。