嬉し恥ずかし
この間の19日の火曜日にH句会があった。
久しぶりに街へ出て、大きな部屋に机をロの字型に並べ、真ん中の机に嘱目となる季節の行事のパンフレットや土筆などが置かれていた。
この日の兼題は「柳」と「風光る」、席題は「土筆」「壬生念仏花御堂」「都をどり」「桜漬」。
兼題は宿題みたいなもので前もって準備できる。でも、席題は行ってみないとわからない。今回の「壬生念仏花御堂」も「都をどり」も名前くらいしか知らない京都の行事だった。兼題で出ていれば、パソコンでいっぱい調べて、それをもとに想像力で何とかできる場合もあるが、5句をたった1時間半ほどで写真と想像力だけで出すのはちょっときつい。だから、兼題で作っていってた2句と「土筆」と「桜漬」とほかの句会で出すつもりだった「花吹雪」の句のアイデアを使って、時間ギリギリで5句出した。
結果は主宰の特選1と並選4,わたしの先生の並選3、いただけた。投句の方入れて25名中1位になった。
なんだか狐に抓まれた気分。
年に1,2回、こういう事がある。
嬉しいんだけど、なんだか不思議な気分。
この1,2か月、心身共にしんどかったから、神様が飴、舐めさせて下さったんだろう。
恥ずかしながら、いつものようにご披露させていただきます。
お気に召す句があればいいんですけれど。
一、桜湯の仄かな香次女嫁ぐ
さくらゆの ほのかなかおり じじょとつぐ
二、湯治場の石の欄干春柳
とうじばの いしのらんかん はるやなぎ
三、代々の土手のあそこの土筆なり
だいだいの どてのあそこの つくしなり
四、無重力めく一瞬や花吹雪
むじゅうりょくめく いっしゅんや はなふぶき
五、赤チンの膝つ小僧に風光る
あかちんの ひざっこぞうに かぜひかる
一句目は桜漬の傍題の桜湯で、数年前、娘に結婚のお祝いを持ってきてくださった方へおためと桜湯を出したことを思い出して作った句。
二句めは兼題の柳から、城崎温泉の柳が印象的だったのを思い出して。
三句目は嘱目の土筆を持ってきた方のお話を聞いて。
四句目は花吹雪という豪華な季語を、宇宙船で水が粒状になって浮いていた感じと重ねて。
五句目は「風光る」という季語から逆算して、膝っ小僧にたどりつきました。
野暮なことしてるな。
ほんとは俳句は作った人の手から離れたら、どのようにでも解釈されて当たり前なんだから。
もし、次回があったら、説明なしにします。