蜜柑

昨日は今年最後のH句会だった。

 

兼題、まあ宿題みたいなもの、は「冷たし」と「近松忌」。

嘱目、俳句の種になるようなもの、は「クリスマスツリー」「顔見世のチケット」「冬菊」「侘助」「蜜柑」そして「皹(ホントは違う肉月の方のヒビなんだけどパソコンでは出てこなかった)薬」。

毎年恒例、Kさんがクリスマスツリーを句会場で組み立てて下さり、Jさんは彼女の故郷の因島の蜜柑を全員の分、持って来て下さった。

ヒビ薬はわたしがいつも持ち歩いているロートのハンドクリームを嘱目を置く机に置いた。

 

一時間以上かけて嘱目を眺めたり、触ったり、食べたりして句を作る。

兼題の2句は前もって用意してあるので、後3句。

でも、わたしは「皹薬」で用意してあったので、あと2句だった。

 

ちなみにわたしの「皹薬」の句は主宰の特選、いただいた。

 

今は昔桃の花てふ皹薬

 

いまはむかし もものはなちょう ひびぐすり

 

桃の花というヒビ、あかぎれ用の塗り薬、知ってる?

わたし、子供の頃、お風呂上りに母に塗ってもらってたの。

今は多分、もうないと思う。

 

あっと、それから蜜柑。

わたしは果物は余り好まないし、特に柑橘系は苦手なので、毎年、家へ持って帰り相方にあげてた。

 

でも、Jさんが「これは知り合いの蜜柑農家に毎年、頼んで送ってもらってるの。そこの蜜柑畑でも一番の木で、贈答用のやつ」とおっしゃるので、どれだけ違うのか気になり、初めて食べてみた。

 

ん?

 

甘い蜜柑の果汁が口ん中の細胞に染み渡った。

これは生まれて初めての蜜柑だ。

 

普段はきれ~に蜜柑の筋を取ってからしか食べないのに、それも気にせず全部食べちゃった。

 

すげー。

蜜柑ってこんなに美味しいものだったの?

 

作った句がこれ。

 

因島や蜜柑嫌いを唸らせて

 

いんのしまや みかんぎらいをうならせて

 

主宰の並選と今、話に出たJさんとKさんの互選をいただいた。

これと主宰の並選、もう一ついただいた。

 

良い年末の句会だった。