プロフェッショナル

昨日の午後、電器屋さん2人が寝室の新しいテレビと録画の器械、えー、ブルーレイディスクレコーダーっていうのが正式名称らしいけど、を持って来てくれた。

古いのを外して、新しいのを設定して、見たり録画したりできるようにしてくれた。

説明は主に相方が聞いていた。

使い方は一緒に教えてもらった。

年とともに新しいものに慣れることが難しくなる。

使っていって慣れるしかないけどね。

 

電器屋さんが片付けて帰って行った後、大急ぎで近所のスーパーへ3日分の買い出しに行った。

帰ったら5時過ぎてたのでわたしは大急ぎで夕飯の支度にかかった。

 

寝室でひっくり返って新しいテレビを見ていた相方が「おい、ちょっと来てくれ」と言った。

「何?」と寝室へ行くと「この文字がどうしても消えへん」と言う。

見るとテレビの画面の4分の1くらいのスペースにNHK BSから「この表示が消えない場合、次の電話番号へ連絡してください」と言う表示が出ていた。

テレビを消したり点けたりしたが消えない。

相方がその番号へ電話してみたが、混み合っているから後ほど掛けて下さいと言うメッセージだったらしい。

 

で、わたしは、まずはさっき来た電器屋さんが置いてった名刺の番号へ電話してみた。

長いこと待たされてようやく女性が出て、話を聞いてくれ「ちょっとお待ちください」と言って、また待たされた。電話口に戻って来た彼女は「やはりその電話番号へかけてその指示に従って下さい」と言う。

 

で、やむを得ずわたしがまず画面に出ているNHK BSへ電話をかけ、混み合ってるのは分っていたけど待ち続けた。

ついに女性の声がして、わたしは彼女に説明をした。すると「今、テレビのそばにいらっしゃいますか」と言う。「いえ、固定電話で離れています」「携帯電話をお持ちですか」「はい」

相方の携帯の番号を言って、相方に彼女の指示通り、してもらうことにした。

 

わたしは台所で夕飯の支度の続きをし出した。

しばらくするとうちの固定電話が鳴った。

取ると午後に家に来てくれた電気屋さんだった。わたしが電話をかけたことを聞いて、心配してかけて来てくれたんだ。

「会社へ戻る途中で連絡を受けました。お宅の比較的近くにいます」

「今、主人が電話で教えてもらってメッセージを消そうとしてます」

「じゃあ、それに従ってもらえば大丈夫です」

「いえ、大丈夫じゃありません。できたら来ていただけませんか」

「わかりました。5分くらいで着くと思います」

 

結局、彼らが来た時、相方は何とか言われた通りにして終わりに近づいていた。

でも、彼らの顔見るなり相方は携帯を渡して「お願いします」と言った。

彼の必死の形相がすーっと消えた。

電器屋さんが続きをしてくれて、メッセージも無事消え、携帯を相方に返して「終了しました」と言った。

 

相方とわたしの目には、彼らに後光が差しているように見えた。

 

玄関で彼らに「ありがとうございました」と深々と礼をした。

彼らも満足げな表情で帰って行った。

 

こういうのをプロフェッショナルという。