ひねどり

ひねどりってご存じ?

「老成鶏」って書く。若鶏の反対。

若鶏はブロイラーで身が柔らかい。

ひねどりは卵を産めなくなった雌の鶏のことで、卵を産まない分、栄養がすべて身に行き渡ってる。だから、噛むとじわーっと旨味が広がる。

ただし、固い。

 

相方は若いころから「ひね」が好きで、見つけると買って焼き鳥にして食べてた。

最近はスーパーでも見かけるようになった。

やはり相方は見つけるとカゴに入れる。

でも、彼の入れ歯では、正に歯が立たない。

だから、小さく切って鶏飯にする。もちろん、自分で。

わたしはもう飽き飽きなんだ。

だからわたしは、彼がひねをカゴに入れると必ず「それ、いつ使うの?もう、3日分の食材、買ったよ」と言う。

「俺が責任をもって食べるから」と、これも判で押したみたいに言う。

 

何しろ、好きなものは毎日でも食べ続けたい人なんだ。

わたしは毎日、違ったメニューを考える。それ、普通でしょ?

 

昨晩、白いご飯が余ってたのを、ラップにくるんだのが3つほどあった。

さっき、11時過ぎ、わたしがみなさんのブログを読んでいたら、相方はお腹空いたと早ばやと何か適当に食べて寝室へ戻って行った。

12時半ごろ、わたしがブログを読み終えて冷蔵庫を覗いたら、白ご飯のラップ、1つになってた。1つじゃ足りない。でも、他のラップは鶏飯だった。

やむを得ず、鶏飯2つチンして、浅漬けの胡瓜と茄子や椎茸のうま煮なんかで食べた。鶏は小指の先ほどのサイズで、ほかには何も入ってなかった。

 

洗い物しようと流しを見ると丼鉢が置いてあった。

 

相方に「お昼、何食べたの?」と訊くと「鶏雑炊。ひねの残りで作った」

「白ご飯、なかったから鶏飯、2つ食べたよ。ひねしか入ってなかったね」

「他になんにも見当たらなかったから。でも、旨かったやろ」

 

ふんっ!

だーれが。

口が腐ったって言わないよっ。