フィンランディア
5日ほど前に、1つの句会の投句5句をパソコンで送った。
内1句はカタカナ表記を多用した句で、大きな「ツ」や「イ」にしなければいけないのに、小さな「ッ」や「ィ」のままで送ってしまった。翌日、あわててお世話係の方に訂正をお願いした。
昨日、選句用に全員の句がシャッフルされてパソコンに送られてきた。
キチンと訂正してくださっていた。
昨夕に、よいと思う10句を選び、お世話係さんへ送った。
わたしのカタカナ満載の句は1行に納まらず、2行で小さめの活字になっていた。
昨夜はテレビのプレバトの日だった。
番組が始まったころに1度見たが、夏井いつき先生のものの言い方に品がないのに反感を持っていたので、あまり見ていなかった。でも、最近はよく見るんだ。
なぜかと言うと、彼女の俳句には自由があるからだ。
句またがりも季重なりもカタカナもアルファベットでも、良い句の範疇にいれてくれる。
うちの結社は花鳥諷詠をよしとし、典雅で古風な句が好まれる。
この1,2年でかなり変わってきているが、同人の多くは70才以上で、何十年と続けてこられた詠み方、読み方を変えることなどできない。
前から書いているように、わたしの句はうちの結社向きではない。
でも、これまた何度も書くが、わたしの先生は懐が深く「まりさんの好きな句を詠みなさい」と言って下さる。
だから、カタカナや音楽用語などを多用することがある。
今回出した問題の句はこれだ。
フインランデイアのクレツシエンドや初日射す
元日、早起きして見た(寝なおしたけど)初日の出が山の向こうから上がって来る様を、シベリウスの「フィンランディア」という交響詩であらわそうとしたんだ。
曲の初めの陰鬱さが次第に穏やかで美しい旋律へと代わっていき、クレッシェンドしていく。
シベリウスはフィンランドの国民的に有名な作曲家で、この曲は帝政ロシアの圧政に苦しめられていた人々が独立へと向かっていたころに発表されたものだ。
15文字のカタカナはいくら何でも とは思ったけど、必要なカタカナだったんだ。平仮名では余計、読みづらいし、分かりにくいだろうし。
わたしにとって、あの初日の出を表現するのにピッタリだったんだけど。
たぶん、だれも丸を下さらないだろう。
でも、いいんだ。
わたしはあの句が好きだ。