ジョーク

昨日、面白そうなテレビがなかったので、前に録画してた映画を見た。

ノッティングヒルの恋人

ヒュー・グラントジュリア・ロバーツのラブコメで何度も見たことがあるのだが、内容は大したことない。ロンドンの端のノッティングヒルに住むウィリアムというバツイチで旅行の本専門の本屋の店主とアメリカの有名女優アナが恋をしてバタバタあって、最後はハッピーエンドというよくある話。

ただ、女優や彼女の周辺の人たちのアメリカン・イングリッシュと本屋店主と地元友人たちのブリティッシュ・イングリッシュの違いがすごくはっきりしてて面白かった。

そして、もっと印象的だったのがブリティッシュ・ジョーク。

かちかちとしたブリティッシュ・イングリッシュで理屈っぽい言い回しのジョークが実にいいんだ。

 

彼の妹の誕生日パーティーへ彼女も一緒に行った時のこと。最後のブラウニーという菓子を一番、不幸な人にあげようということになった。

それぞれ、仕事や収入、健康やルックスなどの話をする。ウィリアムは親友に、君はバツイチで商売はへただし、元はハンサムだったが今は崩れてきてる と言われ、じゃあ、自分がブラウニーを貰う権利があると言う。そこまでのみんなの不幸話もシニカルでブリティッシュ

そこへ彼女が、19才からダイエットをさせられてずっと空腹に耐えてきた、ボーイフレンドと別れるたびにマスコミに面白おかしく書きたてられてきた、2度、顔の痛い手術をした、そのうち容貌が衰えてきたら、昔、有名だった女に似ているただの寂しい中年女になる、わたしこそブラウニーを貰う権利がある と言うんだ。

あのセリフはアメリカっぽいけど、斜にかまえた発想はイギリスっぽいね。

 

いっぱいあるんだけど、ほとんどのジョークがそれまでの話の内容と複雑に絡み合ってるんで、取り出すのが難しい。

もひとつだけ。

 

ふたりで台所で話をしている。彼女はアイスクリームの何パイントかの容器を抱えてスプーンですくって食べてる。彼女がお尻の吹き替え用の俳優がいるという話をする。彼は「パスポートの職業欄に"メルギブソンの尻"なんて書くの、嫌だな」と言う。彼女は「彼は代役を使わない」と、そしてアイスをなめながら「おいしいわ」と言うと彼は「アイスクリーム?それともメル・ギブソンの尻?」「同じくらい」

この会話もブリティッシュだけどアメリカンテイストだな。

彼女のジョークは、彼やその仲間のバリバリ、ブリティッシュ・ジョークとはやはり違う。というか微妙に変えてある。

 

映画製作国はイギリスとアメリカになってる。

 

英語はいろんな国で母語として使われているが、その国によって発音も意味合いも違ってきてるんだろうな。

 

ジョークも国によっていろいろだ。

日本人は生真面目で、上質のジョークが言える人は少ないように思える。

わたしもその一人だ。