おしゃべり
先日、病院に迎えに来てくれた相方が、わたしのことを一応、心配してくれて嬉しかった と書いた。
しかし、彼の方から上手に慰めてくれたというより、わたしから「怖かったのに、先生、ひどいよう。わたしってかわいそう」と言うと、彼は「かわいそう、かわいそう」とオウム返しに言っただけなのだ。
元来、口数の少ない職人気質の男だった。
子供のころは吃音だったらしく、今も焦るとどもる。
でも、基本、わたしはあまり口の上手い男は好きではない。
自分自身がおしゃべりなせいか、たまたま今までに出会ったおしゃべりな男性にわたしの好みのタイプがいなかったせいか、分からないが。
だから、たった2人となった我が家では、ほとんどわたしの声しか聞こえない。
時々、彼が熱心に話すことがある。
ソフトボールのチーム内の人間関係の話が主だ。
けっこう男ばかりの中では自己主張してるみたい。
そう言う時、わたしはだまって聞いている。
聞いてから「あなたの話は筋が通ってると思うよ」とか、時には「違う言い方をした方が分かりやすい」とか言う。
彼は素直にわたしの意見を取り入れてくれる。
わたしのおしゃべりは、ラジオやテレビのコマーシャルみたいにのべつ幕なしで突然内容が変わったりする。
テレビを見ている彼が「しばらく黙ってくれ」と言いたくなる気持ちも分かる。
父も母もおしゃべりではなかった。祖父母たちも。
わたしのおしゃべりは突然変異なのか。