卒寿

明日は母のお誕生日。卒寿である。

今日、相方と実家へ行き、母に古くなったお財布のかわりに新しい花模様の型押しのある黄色いお財布をプレゼントした。

母は喜んでくれたが、目の前に置いた新しいお財布を「これ何?」と訊き「お誕生日プレゼントだよ」と言うと「ありがとう。きれいな黄色。素敵。嬉しい。ありがとう」と言い、ほんの2,3分でまた「これ何?」と、この会話を何度も何度も繰り返した。

実家にいた2時間ほどの間に、わたしは疲れ果て、叔母に申し訳ないけど疲れちゃったと言って、大阪に戻った。

重々、判っている。

母にはなんの悪意も責任もない。でも、あの母がこんなになるなんて未だに信じられない。もっと症状は進んでいくだろう。

 

母のことはいいのだ。

わたしが相方が亡くなった後に認知症になった場合、千葉と広島に家を買って住んでいる娘たちに出来るだけ負担を掛けたくないのだ。

だから早いうちから施設などの手配をしておきたいと思う。

しつこいようだが、早く認知症の特効薬を発見してほしい。

わたし自身で出来ることは限られているのだから。

 

卒寿まで生きたくない。