栗の虫

今日から火、木、日と俳句のお出かけがある。

今日は、嘱目という季節の動植物や行事のパンフレットなどが、中央のテーブルの上に一杯並べられ、それを詠むという句会。毎回、見た事のないものだらけで興味津々。今日もひまし油の材料となる蓖麻の実や瓢の笛(ひょんのふえ)、無患子(むくろじ)という羽根つきの羽根の重しになる黒い固い実など、面白いものだらけ。でも、わたしには歯が立たなくて、5句とも沈没しちゃった。

しかし、つくづく俳句の世界って奥が深いって思った。それにこういう古くからあるものを詠むにはやっぱり文語文法も必要だとも。

 

あ、そうそう。誰かが持ってらした嘱目の栗に虫がついてたんだ。6,7ミリの白い芋虫みたいなやつ。あの手のは絶対、触れないし見るのも嫌なんだけど、小さいせいか何だか気になって何度も見た。まじまじ見ると、面白い動き方してたんで俳句にしてみた。「栗の虫」って季語だったんだ。歳時記見るまで、それさえ知らなかった。

ところが、先生も同じ「栗の虫」で詠んでらした。清記用紙に書き写す時に、あ、先生の短冊がまじってるなと気づき、真っ先に読んだ。上五の「まるまると」だけで「あー、だめだ。栗の虫、詠むんじゃなかった」と後悔した。先生の句には季語に対する愛情や敬意があった。わたしのにはかけらもなかった。

何年、俳句したらこういう句が詠めるのだろうか。

一生かかっても無理だろうけれど、先生、精進いたしますので、どうかよろしくご指導下さい。