色っぽい

今日は2,3カ月ぶりにH句会へ行ってきた。

先週のN句会の吟行も休んじゃったし、体調はまあまあだから、よしっと出かけた。

でも、結果から言えば5句出しで、主宰の並選1と特選1のみ。

人には分からないだろうと思ってた独りよがりの2句はやはり入らなかった。

精神が凝って固くなっていると「詩」のように柔らかいものは書けなくなるんだと思い知った。

途中でみぞおちがきゅーっとなったので、持って行ってた安定剤、お水で飲んだ。

でも、間に合わず。

 

主宰の特選をいただいた句は今日の兼題の「新酒」の句。昔は秋に採れたお米ですぐにお酒を造ったからこれは晩秋の季語。傍題には今年酒(ことしざけ)、早稲酒(わせざけ)、新走り(あらばしり)など。

ちなみに今時の日本酒は「寒造(かんづくり)」で晩冬の季語だ。

 

口紅を紙でおさへて新酒酌む

 

女性が酒器に口をつける前に、口紅が付かないように紙で紅を少し落としている様。

主宰は「ちょっと色っぽいですね」とおっしゃった。

 

らしくない句だけど、これもわたしの句なんだと自分でちょっと不思議な感じがした。

四次元ポケット

昨日、炊いたカレイを深皿に移す際、煮汁をかなり床にこぼした。

 

2メートル以上ある台所マットに浸み込んでしまったので、今朝からお風呂場で洗剤を薄めてかけて小さな食器洗い用の棕櫚(?)のブラシでごしごしこすって、何度も水で流し、足で踏んづけて水気を抜いた。

 

朝、亀の子ダワシが見つからなかったので買いに行こうと思ってた。でも、相方がソフトボール用の色んなものの入った袋からこの小さなブラシを見つけ、これでいけると言った。

実際、わたしの小さめの手には扱いやすく、十分、役に立った。

 

座骨神経痛がまだ痛むので、彼には手伝ってもらわなかったけど、最後の踏んで水を出すのは、わたしがしてから彼にもう一度、踏んでと頼んだ。

靴下、履いて、お風呂洗い用のスリッパ、履けば大丈夫だろうと思ったので。

 

でも、彼は裸足になって長ーいマットを畳んだのを何度も踏んだ。まだ水が一杯出たよ。

 

それからわたしはバケツにマットを入れて、本来はハンガーにかけた洗濯物を吊るす背の高いラックに掛けた。

 

何度か絞ったけど、まだポタンポタン、水が滴っている。

でも、今日は日差しが強いから、夕方までに乾くだろう。

 

しかし、彼のソフトボール用の袋には何が入ってるんだろう。

食器洗い用のブラシはボールが汚れたら、これでこするつもりで買ったみたいだけど。

いろんなものを代用で使う名人ではある。

 

あの袋は、わたしにはドラえもんのおなかの「四次元ポケット」みたいに見えるよ。

笑顔

今日はN句会で吟行の日だった。

わたしは母が亡くなってから、体調が悪かった。

最近は特に胃の調子が悪くて、おかゆくらいしか食べていない。

歩くのも自信ないし、体調の悪い日は良い句が出来ない。

ゆえに本日のもお世話係さんに前もって不参加と言ってある。

今日は少し買い出しに行くだけでおこもりの日だ。

 

8日の三七日(みなのか)のお参りは午前中に済んで、帰りにおそばを食べてきた。

朝からの実家の掃除がこたえたのか、午後から横になっていた。

晩御飯の支度が面倒で近所の居酒屋さんで済ませた。

生ビール3杯くらい、普段ならなんともないのに、これがずっと胃の中でぐつぐつ言っているので、安定剤も導眠剤も飲み辛く、心療内科でいただいていた胃の酸を抑える薬を飲んで寝たが、朝も治まらない。

 

それからおかゆと雑炊の生活をして来た。

土日月と連休だったので、昨日、内科へ行った。

胃だけの診断が目的なので、心療内科ではなく、内科に決めた。

 

自転車で5分のA医院のA先生はまだ40代かな。わたしがこのマンションに住み出して17年、それから、しばらくして出来た医院だからもう15年くらいは経つだろう。

そのころから患者に笑顔で接する若いけれどいい先生だとの評判だった。

何の病気で行ったのか覚えていないが、とても感じのいい青年で的確な診断をしてくれたのは覚えている。

ただ、患者さんの数がすごくて、長時間、待たされちゃう。

これがネックでそれからあまり行っていなかった。

 

相方が掛かっているW病院は近くて整形外科はいいけど、内科の先生は日変わりで、あまり好きじゃない先生が多かった。

 

よく行くUクリニックは、MRI胃カメラなどの設備が整っていて検査してもらうのはあそこが丁寧で手っ取り早い。でも、バスに15分乗らないといけない。

 

と、色々考えた末、お久しぶりのA病院にした。

夕方は4時半からなので、4時15分に行ってみた。

がらーんとしていて、女性がひとり座って待っていた。

受付に「今、受付していただけますか」と訊くと「はい、13番目ですから、5時半ごろに来ておいて下さい」とのこと。

 

で、一旦家に帰り、サラダの準備だけして、また5時半に行った。

待合には小さな子供から付き添いの方のいるお年寄りまでけっこうな人数だった。

でも、以前と比べれば、予約制のようになっているからスムーズに進んだ。

5時45分くらいに呼ばれて、診察室へ入ると「お久しぶりですね」と例の気持ちのいい笑顔で迎えて下さった。

受付の方に渡されて書き込んだ問診票を読んで「わたしは内科医ですので、内科医としてお手伝いさせていただきます」とおっしゃった。

 

要するに、母が亡くなってから体調がずっとすぐれないのだが、精神的にもつらくて安定剤の服用回数が増え(胃に影響はないと言われてはいたが)、胃の調子が悪い、特に朝、胃がぐつぐつ言っているような感じで不快だ、心療内科でもらった胃酸を抑える薬を飲んでも効かなかった、今は三共胃腸薬を飲んで少しましだ といったことを書いたのだ。

 

「胃は痛みますか?胃液が逆流するような酸っぱいような感じはありますか?食べ物を戻しそうになったことはありませんか?」というような質問をして「そこへ脚をくの字に立てて横になって下さい」とおっしゃった。

「ここが腸でこの辺が沈黙の臓器、肝臓です。で、この辺が胃ですが、女性は縦に長くなっている方が多い。胃と言う臓器はおしゃべりで、いろんな症状から今の状態を教えてくれます」

質問しながら説明して下さり「Yさん(わたしのこと)はいいヒントをくれましたよ。三共胃腸薬は生薬で漢方です。これが効いたのなら漢方がいい。この症状に合いそうなのが3つあります」

それからまたいくつか質問され「六君子湯エキス顆粒をお勧めします」ということになった。

終始、穏やかな笑顔だった。

 

帰り道、まだ薬も飲んでいないのにわたしの胃は治まり、精神的にも安心した状態になっていた。

 

彼は笑顔で人を治す。

町の名医なのかもしれない。

ありがたや、ありがたや

今日はH教室の日なんだけど、この3日ほど、胃の調子が悪い。

 

前に心療内科で貰った胃酸を抑える薬飲んでみたり、他の胃腸薬試したりしたけど、毎朝、胃がぐつぐつ言って、一日中重たい感じが続いてる。

当然、身体もしんどくって、電車に乗ってお出掛けする気力が出ない。

 

昨夜、お世話係のNさんに電話した。

「調子がよくなったらおいで」と優しい声で言って下さった。

 

結局、午前中もベッドで寝てた。

 

導眠剤飲まないと眠れないはずのわたしが、朝起きておかゆを作って食べ、またベッドで眠れるってことは、やっぱり、母のことがこたえてるってことね。

 

それと元気なつもりでも、年々、弱くなってきてるんだろう。

 

自分自身をいたわってあげよう。

考えてどうしようもないことは考えない。

相方に甘えて、いつも以上手伝ってもらおう。

 

彼に感謝。

 

ありがたや、ありがたや。

三七日

明日は母の三七日(みなのか)なので実家へ行く。

早めに行って家を片付けて掃除するつもり。

 

相方の目はぼちぼちで運転できなくはない。

 

でも、二週間近く前、座骨神経痛の左足を支えるため役に立ちそうな、40年近く前に亡くなった義父が使っていた木の杖を見つけた。車でグランドへ行く人に行き帰り乗せてもらい、歩く時は杖を使い、ほとんど座って監督してたらしい。

その結果、左足より左肩が痛くて湿布しても治まらず、またもやロキソニンを飲んだりしている。

「病院へ行って」と頼んだが「原因は分かってる。親父の杖の丈が合わなかったのと、左足を支えるには右手に持つべきやったんや。治るのを待つしかない」と仏頂面で言った。

一週間ほどして、冷やすより温める方が楽なのに気付き、今は肩に貼る温シップをしている。

 

まあ、ましにはなっているが、車の運転は心配なので、明日は電車で行くことにする。

 

よく、こんなに次から次へと困ったことばかり起こるものだ。

 

明日はしっかりお参りしてこよう。

今日、相方は眼科で3度目の硝子体への注射をして来た。

彼の後で同じ注射を打つと言う男性は7回目だと言う。

 

わたしは角膜裂孔を、まだ眼科Tクリニックがオープンして間もないころ、10年以上前だけど、当時まだ珍しかったレーザーで完璧に塞いでもらった。未だにビクともしない。

 

だから相方にTクリニックを勧めたんだ。

 

白内障はOKだったんだけど、右の眼球内に出血があり、これがなかなか消えてくれない。腫れていたのが引っ込んでこれで良しと思っていたら、また腫れてきて を繰り返しているんだ。

 

彼の後の方のように、T先生に7回もかかるべきか、セカンドオピニオンを他所の眼科で聞いてみるか、迷っているみたい。

おまけに慣れてくると、T先生の扱いや物言いが雑になったのが、相方には面白くない。

 

おまけに、彼は9月中頃から右足が痛くて先週、レントゲンを撮り整形外科で見てもらったら、ヘルニアで右脚の骨の裏っ側の間隔が狭くなってきていたらしい。「いわゆる座骨神経痛です。いい薬があるんですよ。飲み続けて2,3週間したらじわじわ効いてきますよ。」とこれまた若い先生がおっしゃった。

気のせいか、まだ1週間だが少しましになったような気がすると彼は言う。

 

この病院、W会は近いので、ふたりとも前からちょこちょこ通っている。

 

相方は何カ月に1度か血液検査をしてもらっている。

若いころから痛風持ちで、いろんな経過を経て、今は血液の状態に合わせてここの内科で薬をだしてもらっている。

前回は血糖値もよろしくなかった。おかずを少なめにしたので、ご飯が多めになっちゃって、その炭水化物が体内で糖になっちゃったみたい。

何を食べさせればいいのか、ホント、悩んじゃう。

 

酒類も控えめに、すべて腹八分目で、我慢して頑張った結果、今回の値は下がっていた。

腹八分目のおかげでわたしも体重、減った。

彼は食べたいもの、飲みたいものをかなり我慢してるから、イライラして、よくわたしに当たる。

 

こっちだって一緒に我慢してるのに。

 

まあ、時々、例の焼き鳥屋で生ビール3杯くらいいいんじゃないかな。

但し、鶏モモの方が牛モモや牛ヒレよりプリン体、多いんだけど。

 

まあ、二人とも薬を飲まない日はない。

 

年取ったー。

選ばれる

ずーっと鬱陶しい話ばかり書いてきてごめんなさい。

自分がつらいことは他の方が読んでも楽しいはずはないのにね。

 

先週、母が亡くなった翌日にわたしが入っている俳句の結社の9月の句誌が届いた。

ほりっ放しにしていたのだが、今週になって手に取った。

 

いろんな俳句に関する記事のほか、「雑詠」という30ページがあり、これが一番気に掛かる。専用葉書で主宰当てに出した自作の句(以前に発表したものでもよい)5句のうち、良い句を最低3句、普通は4句、良い句がそろっていれば15名だけ5句全部、載せてもらえる。

俳句を始めた頃はずーっと3句で、今、読み返すと恥ずかしくて顔が紅くなるようなものばかりだった。

それが1年半ほどして4句載せてもらえることが増え、今は安定して4句だ。

この5年半の間に3,4回、5句載せてもらったことがあったが、いつも15人中15番目だった。

 

今回の「雑詠」へも170人以上の方が投句なさっていた。

そして、久しぶりに5句全部載せていただいた。

おまけに15人中9番目だったのだ。

わたしにしてはおとなしめの句が多くて、6月の久しぶりの吟行の滝の句が2句入っていた。

とっても嬉しかった。

 

ご披露させていただきます。

 

五月雨の塗り込めてをり伊根舟屋

さみだれの ぬりこめており いねふなや

季語は仲夏の「五月雨」。梅雨は雨と気候の両方を差すが、五月雨は長雨のみを差す。伊根の有名な舟屋が雨に「塗り込め」られている様子を詠んだ。

 

時の日や時計回りの過去未来

ときのひや とけいまわりの かこみらい

季語は仲夏の「時の日」。読んでの通りの句。

 

終わりなき水の輪廻や瀧落つる

おわりなき みずのりんねや たきおつる

6月の吟行で神戸の布引の滝へ行き、詠んだ句。

「滝」が夏の季語。ひたすら、水が蒸発して雲となり雨となって地上に降り、滝や川となって海へ出、また蒸発し と繰り返すことを「輪廻」と考えた。

 

岩穿ち瀧の姿の変わりゆく

いわうがち たきのすがたの かわりゆく

同じく「滝」が季語。滝の水の勢いがギクシャクとした岩の隙間を穿ち変化させていく様を詠んだ。

 

白靴やいつの間にやら年を取り

しろくつや いつのまにやら としをとり

「白靴」が夏の季語。夏の装いに白い靴は涼し気で似合うとされる。

あまり履かなかった白のスニーカーを久しぶりに出して履いてみたら、気付かないうちに薄い汚れや皺があった。ああ、靴もわたしも少しずつくたびれていくんだなあ という感慨。

 

わたしのこれらの5句がこんなに高く評価されるなんて、母のわたしへのプレゼントだったのかも。